フリーフォント 制作の裏側!

 

 

この世の中に溢れている文字
ありふれているからこそ見過ごしがちな文字にスポットを当てよう
というこの企画

 

題して

 

 

文字の世界 ロゴ案

 

 

 

今回は文字の中からフリーフォントの世界について取り上げます。


キユマヤ園   kiyumayasono
http://sapphire.hacca.jp/

me02

大阪府出身のデザイナー
現在はゲーム会社に勤め、エフェクトを制作している
仕事の傍ら、これまで「数式フォント」や「みつバッチフォント」などのフリーフォントを制作

インタビューしたのはこの方!
様々なフリーフォントを制作し、フォントのコンペにも提出されているキユマヤ園さんに
フリーフォントについて一から聞いてきました。


 

 

キユマヤ園さんについて

 

ーフォントを制作しようと思ったきっかけは何ですか?
きっかけは2012年のモリサワコンペです。
もともとグラフィックデザイナー出身で、文字やロゴデザインに興味がありました。
モリサワコンペの後に
フリーフォントで配布できたらと思って制作していました。

 

モリサワ タイプデザイン コンペティション
1984年に初めて開催した「モリサワ賞 国際タイプフェイスコンテスト」以来、30年以上にわたり開催(隔年)
2012、2014年のコンペティションでは、世界の20を超える国と地域から、あわせて1,000点あまりの作品が寄せられた

 

ーモリサワコンペには毎年応募しているんですか?
2012年と2014年のコンペには応募しています。
2012年には「数式フォント」と「みつバッチフォント」「流転フォント」
2014年には「まきびしフォント」を一作品出していました。

 

2012年、フォント制作のきっかけとなったモリサワコンペに応募した
「数式フォント」と「みつバッチフォント」

sushiki_02

mitubachi02

ダウンロードはこちらから

2014年に応募した「まきびしフォント」

m02

現在は非公開

 

ー数式フォントやみつバッチフォントを制作しようと思った理由は何ですか?
明朝体やゴシック体の素晴らしいフォントが溢れているので、
とにかく変わり種のフォントを作りたいと思いまして。
あとはインスピレーション、思いつきでフォントを制作しました。

 

ー制作していてボツにしたフォントはありますか?
「まきびしフォント」と「流転フォント」の2点があります。
ボツという考え方はフリーフォントとして出すかという考え方になるんですけど、
フリーフォントとして出した場合にどれだけ使ってもらえるかっていうのを考えていて、
この2つは多分使われないだろうなと思ってボツにしました。

 

ーホームページには「まきびしフォント」が非フリーフォントとして紹介されていますが、今後フリーでも非フリーでもこのフォントを配信する予定はありますか?
フリーフォントとして欲しいという声があれば。
でも今のところは考えてないですね。

 

 

フォント制作について

 

ー初歩的なことなのですが、フォントってどうやって制作されているんですか?
制作されている方はMacが多いと思うんですけど、
その方達は
GlyphsFontographerだったりを使っていると思います。
Macに関しては知識不足ですみません…!
私はWindowsしか持ってないので、TTEdit、OTEditというソフトを使って全部のフォントを制作しています。

 

ーはじめに制作する文字はひらがなから入るんですか?
人によって様々だと思うんですけど、私の場合は漢字から入ります。
組み立てやすい方法だと、部首を先に作っておいて後から別々に組み合わせますね。
作るフォントによって様々だったりするんで、このフォントだったら画数の多い字から作るとか考えます。

 

ー作っていて大変だなぁ、嫌だなぁと思う文字ってありますか?
画数が多い字の方がもしかしたら作りやすいですね。
画数が少ない漢字ってバランスを取るのが難しいんです。しかもそういうのが何個かあったりするんで。

 

ーフォントを制作するのにどのくらいの期間がかかるんですか?
教育漢字までの制限で土日祝日は丸一日作業して、平日は毎日退社してから
夜中の2時くらいまでコツコツ作って、1書体1ヶ月ほどかかりました。
私は結構作業が遅い方だと思うんで、フォントを作るプロのタイプライターさんだと
もうちょっと早いはずですね。

 

ーフォント制作のあるあるは何かありますか?
俗にいう修正のエンドレスですね。
一段落ついた後に見直しをして、部首の形が気に入らないってなったら
該当部首を全てやりなおして、また、一段落ついた後に見直しをして…
なかなか自分で納得できる形にするのが難しいですね。

 

ー制作期間の間でどのくらい修正のエンドレスの時間が入ってしまうのですか?
みつバッチフォントだと、バランスが難しいフォントだったので
結構時間がかかってしまいましたね。

みつバッチフォント
mitubachi

ーみつバッチフォントで苦労された点はありますか?
みつバッチフォントは漢字から作っていたんですけど、漢字を作るのが一番苦労しました。
なのでなかなかひらがなに入れなかったですね。

 

ー普段生活されていて、フォント制作にあたってアンテナを張っていることはありますか?
そうですね、かなり。
本屋に行った時に文字のタイトルに使われているフォントを見て、これいいなとか
うまいこと活かしてフォントを作りたいなとか思いますね

 

ーフォントを制作されている方達のコミュニティや交流はありますか?
直に話したりというのはほとんど無いですね。私が大阪に住んでいて、
フォントを作成されてる方ってほとんど東京とかにいらっしゃるので
なかなか会う機会もないですね。

 

キユマヤ園さんが思うこと

 

ーキユマヤ園さんが選ぶ、このフォント職人は凄い!と思う人は?
タイプデザイナーさんなら2012年のモリサワコンペでトリプル受賞された豊島晶さんが憧れの存在です。
フリーフォント制作者では文句無しにフロップデザインさんが素晴らしいと思っています。

ー好きなフォントはあったりしますか?
やはり豊島晶さんの制作されたすずむし というフォントが好きですね。
明朝体を基本とした骨格に丸型のうろこをつけていてコロンとして可愛く、
見た人がこれはすずむしフォントだ!って一発で分かるくらいインパクトがあって、
最近では一番好きですね。

 

豊島晶  toyoshima aki

過去、NYでデザインディレクター、タイプディレクターとして活動。
現在は桑沢デザイン研究所の専任教員
2012モリサワタイプデザインコンペティションで作品「すずむし」が、モリサワ賞・ファン投票・明石賞のトリプル受賞を果たした。2014年にモリサワより「すずむし」をリリース

 

ーテレビ番組のテロップにもフリーフォントが使われているんですか?
たぬき油性マジックフォントはかなりの確率で使われていますね。
テロップに限らずいろんな動画にも使用されています。
あと、フリーフォントではないんですけどこれもかなりの確率で見かけるのが
ダイナフォントとくろかねとエレガントフォントですね。

たぬき油性マジック
スクリーンショット 2016-07-13 14.24.34

ー他のフリーフォントを見たり、分析などしたりしますか?
結構しますね。使いやすいフォントかどうかを一番に見て、
使いやすさと個性がマッチしているフォントはいいなと思いますね。

 

ー他のフォントを制作されている方と比べてここが違う!と思うところはありますか?
結構フォント制作者さんによって考え方が違くて、
私は個性をかなり重視してフォントを作ったりするので、
一瞬で誰が作ったか分かるフォントっていうのを売りにしています。
他の方は使いやすさを重視してあえてシンプルにしているところもあると思います。

 

ー今後のフォント制作に関して構想はありますか?
個性を重視していたのですが、原点に戻って基本を交えた、本文用で使われるような
文字を作ってみたいと思います。

 

ーその心情になったのはどうしてでしょう?
本文で使われるような使いやすいフリーフォントが続々出てきているので、
私もそれに触発されたのというのがありますね。

 

ー制作されたフォントはどのような方が使用されているんですか?
Twitterで作ったフォントのエゴサーチをしているんですけど、ほとんどの確率で同人誌のタイトルに使っていただいているケースがありますね。どういうイラストで使われているのかなっていうのがわかるのですごく嬉しいですね。

 

ー最後に、ご自身が制作されたフォントのアピールをお願いします
使いづらいフォントではありますがTwitterやメールなどで、このように使用させてもらいました。という報告画像をいくつかいただいて、こういう使い方もあるのかと逆に私が感心してしまうことが多いので、自由に使っていただけるだけでもとても嬉しいです。
そのようなご声援もフォント制作のモチベーションになっています。


ということでフリーフォントを制作されているキユマヤ園さんに、
フォント制作について一から教えていただきました!

フリーフォントに今まで興味が無かった人もこれを機にネットで探してみては
いかがでしょうか!

新たな世界が広がるかもしれませんよ!!

 

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