2021-09-24
こんにちは。kioi tv編集者のフィズです。
もうすっかり秋かと思いきや、急にあっつくなる日もあって寒暖差が激しいですよね。そろそろ衣替えをしようと思っていたのに、踏ん切りが付かなくなってしまいました。
同じように迷っている方いませんかね…。もう衣替えを済ませている方もいるのかな。
衣替えと言えば、映画の魅力の一つに衣装を挙げる方も多いかと思います。特に、作品の時代背景に沿いながらも、現代で真似したくなるようなおしゃれな衣装は憧れちゃいますね。
そういった美しい衣装を愛でられる映画は、今の季節的にも”芸術の秋”って感じでぴったりではないでしょうか。
ということで今回は、登場人物も衣装も美しい映画「リリーのすべて」をご紹介します。
制作会社 | ワーキング・タイトル・フィルムズ プリティー・ピクチャーズ |
監督 | トム・フーパー |
上映時間 | 119分 |
ジャンル | 恋愛、ドラマ |
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〜あらすじ〜
風景画家であるアイナーは、結婚6年目となる肖像画家の妻ゲルダと
仲睦まじく暮らしていました。
ある日、アイナーは休んだ子の代わりにとゲルダに絵のモデルを頼まれます。
ストッキングを履き、ドレスを合わせて座ったアイナーは
今までに感じたことがないような不思議な感覚に襲われました。
それから彼は、徐々に自身の中の“彼女”に気づいていって…。
この作品は、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの生涯を元に制作されました。
リリー役を熱演しているエディ・レッドメインは、「ファンタスティック・ビースト」の主人公ニュート役で多くの方に知られているかと思います。
エディ・レッドメインの演技力って本当に素晴らしいんですよね。
「ファンタスティック・ビースト」では、優しいイケメンお兄さんって感じなのに対して、「リリーのすべて」では自然と実物のリリー自身を感じられるような麗しさがあるんです。
上記のサムネイルやネット等で上がっているポスターを見てみてください。
…めちゃくちゃ美しくないですか?
あまりに綺麗なものですから、映画を見る直前まで私は知らない女優さんだと思っていました(笑)。
まるで別人が憑依しているかのような素晴らしい演技の持ち主である彼は、「博士と彼女のセオリー」という作品でも主演を務め、ALSと闘うホーキンス博士を見事に演じています。
この記事でもいつかご紹介しますね。
もし「リリーのすべて」でご興味が湧いた方は、エディ・レッドメインが出演している他の映画もぜひ観てほしいです。
今作は世界に反響を呼び、監督のトム・フーパー氏やエディ・レッドメインをはじめ、多くの映画関係者がさまざまな賞でノミネートや受賞をしました。その中で実は、第88回アカデミー賞にて衣装デザイン賞にノミネートしていたんです。
そう、記事の冒頭で述べたように衣装も魅力的な作品なんです。
目に焼き付くような派手さはありませんが、どの衣装も上品でカラフルで、着ている人物の美しさを最大限に引き出しています。また、衣服だけではなく周りの家具や壁紙も統一感があるので、一つ一つのカットそのものがまさに絵画のようなんです!
映画の冒頭から目が釘付けになってしました。映画って本当にすごい!
こんなにも衣服も部屋も素敵なもので溢れている中で、私が特に好きなのは、リリーが手術を受けるために産婦人科病院を訪れた時の衣装です。
深いカーキグリーンをベースに、袖や裾にレースを施したゆったりめのワンピースですね。
スラリとしていて身長の高いリリーが着ると、気品に溢れた煌びやかな印象を受け、(これぞ私の理想!)と羨ましく思いました。
嗚呼、身長があと5㎝欲しい…。
他にも、リリーが被っていたブルーの帽子だとか、序盤でゲルダが着ていたコートだとか…。数えるとキリがないほど美しいものがたくさんあります。ただ、自分が緑系の服を好むこともあってか、あのワンピースが1番印象深いんですよ。
ああいう服が着こなせる 大人な人 になっていきたいですな。
このワンピースは、本編と色味は違いますが「リリーのすべて」のウィキペディアに写真が載っていますので、気になった方は調べてみてください。
あなたの目を引く衣装はあるのでしょうか。数々の衣装にもぜひ注目してご覧くださいな。
では最後に、作品の内容に移りましょう。
“世界で初めて性別適合手術を受けた”とお話ししましたが、そもそも舞台となった1926年という時代は、世界的に見てもトランスジェンダーという存在が全くと言っていいほど認識されていませんでした。
トランスジェンダーやジェンダーという言葉自体もこの時にはまだなかったんです。当時、多くの医者はこういったことを精神分裂や精神疾患の症状と診断し、長らく精神病だとしてきました。
そんな時代背景を踏まえると、リリーの苦悩と葛藤がよりまっすぐに伝わってくるのではないでしょうか。
話は多少脚色はされているとはいえ、理解してもらえない苦しみは現代のあらゆる事柄に通ずるものがあり、共感できる方は多いかと思います。
そして、リリー(アイナー)の妻ゲルダもまた、彼女の存在に困惑し、悩み、葛藤を繰り返す人物です。
リリーの存在を認め彼女を応援することは、最愛の夫との生活がもう2度と戻ってこないということ。
アイナーを失うことを恐れたゲルダは、始めはリリーを受け入れることができず、夫を返して欲しいとリリーを拒絶してしまいます。
自分の知らないもの、理解できないものを拒絶することは簡単です。それは現代のジェンダーに関する問題にも大いに言えることでしょう。
己との違いを完全に受け入れるには時間がかかるかもしれませんが、一度素直に信じる、ということも大切だと思っています。
そんなリリーとゲルダの想いを、ぜひとも見守りながら観てみてください。
酒飲みの余談
此度のお酒は、ドイツ産ピルスナービールのダルグナーピルスナーです。
ドイツは、リリーが手術を受けるために訪れた国です。
彼女が自身の願いを叶えるために闘った地に思いを馳せながなら、その土地のお酒を飲むというのも、映画の楽しみ方の一つですね。
ビールの口当たりは、非常にすっきりあっさりとしています。
キレの感じは私の好きな金麦に近いのかな。
日本のメジャーなビールと比べると少々薄味かもしれませんが、とても飲みやすいビールだと思いますよ。
このビールと一緒にデンマーク産のサムソーチーズやカマンベールチーズをおつまみにすると、さらに手が止まらなくなってしまいます!
サムソーチーズは、デンマークのサムソー島で作られる少し硬めのチーズです。
香りのキツさを心配しましたが、ほんのりとスモークチーズのような香りがしただけで全く強烈ではありませんでした!!!!
カマンベールチーズは、よく私が食べる十勝カマンベールに比べると常温に置いてもトロトロにはならず、モチモチとした食感のままでした。呑んでる時はこちらの方が食べやすくていいですね。
どちらのチーズも、ほどよい塩味がビールと相性抜群です!
もう何杯でも飲めそう!!!! ※お酒の飲み過ぎには注意しましょう
以上、リリーにとって重要な国にちなんだお酒とおつまみの紹介をしてみました。
みなさんも映画と一緒に、舞台となった国のお酒を一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。
いかがでしたか。
哲学の父と呼ばれるソクラテスは、「無知の知」、つまり「自分が無知であることを自覚すべきだ」と説きました。
ジェンダーについて注目されている現代において、この映画が少しでも知らないことを知るきっかけになるといいなと思っています。
え、衣替えですか?………まぁ、しばらくは大丈夫でしょう(フラグ)。
では、また別の映画紹介でお会いしましょう!
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フィズ | 城西国際大学メディア学部所属 kioi tv編集者 ホラーを中心に洋画・海外ドラマを愛する酒飲み 余韻は最低2時間 |