私たちは千代田区平河町にあるROGOBAという家具屋さんで働く杉森さんにインタビューさせていただきました。
ーまず最初に、どうして北欧家具を売ろうと考えたのかお聞きしてよろしいですか。
はい。みなさんキリムをご存知ですか。
キリムとは平織りで織られた織物のことで、もともとは遊牧生活をしていた人たちの織物でした。
もう20年以上前にうちの代表が良いキリムに出逢ったので、ご紹介していこうということでそういった会社を立ち上げることになったんですね。キリムだけを売っていらっしゃるキリム屋さんは他にもたくさんあります。そこで、私どもは代表がもともと設計関係の仕事をしていたということもありまして、空間を提案していこうという考え方で、キリムだけではなくてその空間を演出するものとして家具も一緒に扱っていこうというような形からはじまっています。それで北欧家具というのが多少キリムと通じるといいますか、もともと北欧家具のデザイナーたちも実際、北欧家具に合わせてキリムを使っていたということもあります。また、どちらももともと手作りなんですね。そういった共通点もあって北欧家具を販売するようになりました。
ーロゴバキリムの特徴は何でしょうか。
ロゴバキリムは、天然の染料で染められたウールをセンスよく織りあげた、ハイクオリティーな現代キリムです。
植物の実・枝・根や鉱物などで、丁寧に何時間も何度も染めているので、自然で優しく温かな色をしています。
日光に当たると一気に色が飛んでしまう化学染料に比べて、草木染めは使い込むうちに徐々に表面の色が変化していくので、化学染料では表現できない艶と深みを醸し出します。
また、ロゴバキリムはシンプルではありますが、織り継がれる中でできあがった”伝統柄”です。
さらに、キリムを評価するポイントとして”アブラッシュ”がとても重要なのです。
”アブラッシュ”とは、糸の色の濃淡・太さの大小が作り出す風合いのことです。
例えば、同じ赤でも微妙に色の違う様々な赤い糸を使って、太い糸や細い糸の粒の違いをセンスよく織り込んでいくことで、平面的ではない奥行きを表現することができるのです。ロゴバは、キリムの良し悪しを判断する最も大切な要素である”アブラッシュ”に常に注目し、そのアブラッシュがセンスよく表現されたキリムを厳選してご紹介させていただいています。また、”ロゴバキリム”は図柄だけでなくベースの部分にも”アブラッシュ”が表現されているため、一見無地の箇所も、色の濃淡や糸の表情により、豊かな奥行き感を楽しむことができると思います。
これらは、インテリアに豊かさを演出するとともに、コレクションとしても、末永くお持ちいただけるものですのでおすすめさせていただいています。
手の文様は、その中の幸せなエリアに羊を襲う狼やその他遊牧民の生 活を脅かす様々な邪悪なモノが入らないようにと願い、“鬼は外”を願う気 持ちを表現しています。さらに、その手がたくさん並べられているのは、祖 父母、父母、夫と私、子、孫が連綿と豊かで幸せな遊牧生活を続けて、 “子孫繁栄”してゆくことを願うものです。
水平線の集まりは、遊牧民にとって大切な豊かな草原、豊かな丘を表現 し、波の曲線は大地に豊かな水があることを願っています。
ーなぜ紀尾井町エリアに店舗を構えていらっしゃるのでしょうか。
私自身、この店舗ができてからの社員ですので聞いている話になるのですが、本社が大阪なので東京店を出す時にそれこそ青山ですとかそういったところで探したりはしていたようなんです。ですが、今店舗を置いているこのビルのオーナーの方とご縁があったということもありますし、ここのエリアには目的をもっていらっしゃらないと来てくださらないですよね。ここのお店に来ようと思われた場合。北欧家具であったりとかキリムであったりというのが、欲しいと思った方がわざわざでも来てくれるような場所になりますので、いろんなタイミングとそういったところもあってこのエリアに店舗を構えています。
ーこちらのお店にはどのようなお客様が買いにいらっしゃいますか。
一般の方とプロフェッショナルな方、半々ぐらいですね。一般の方でいうと本当に幅広いです。20代後半ぐらいから60代・70代くらいまでのお客様が買いにいらっしゃいます。一般の方ですとやはりお引越しですとか、何かそういったきっかけがある方が結構多いですね。プロフェッショナルな方ですと、設計の方でしたり、インテリアコーディネーターの方でしたりとか、そういったお客様もいらっしゃいます。
ーなぜ窓際にたくさんの椅子を置いていらっしゃるのでしょうか。
やはりウィンドウに沿っているとお客様の目に入りやすいですよね。
それでメインのものといいますか、今キャンペーンしていたりもしますので、なるべくそういった、新しい商品でしたり販売していきたい商品というのを正面に出していくことは多いのかなと思いますね。ショーウィンドウではないですけど、その役割になると思います。
ーROGOBAではどのような家具を扱っていますか。
デンマークの家具ですね。1940年代から60年代ぐらいのデザインのものがメインです。
ーその年代のものが人気ということですか。
それがもう名作家具と言われているものですね。デザイナーでいうとフィン・ユールですとかハンス・J・ウェグナー、アルネ・ヤコブセンなどがメインのデザイナーさん。だいたいその方たちはちょうどデンマークの家具のデザインの黄金時代と言われている1940年代から60年代に非常にたくさんのデザインをしている方たちなんですね。そういったものが今も復刻されていて、メインでそういったものを扱っていますね。
ーROGOBAの家具は日本人向けですか。
デンマークの家具は非常にデザイン性が良いものがたくさんあるとは思うのですけれども、デザインもさることながら座り心地が非常に良いと思います。そのため日本の生活の中でくつろいでいただいたり、お使いいただくのに向く家具だと思いますね。また、曲線で表現されているものが非常に多いのであまり圧迫感もないですし、柔らかさがあるのですごく日本にあっていると思います。
ー気になったのですが、卵型の椅子を買っていく一般の方はいらっしゃいますか。
たくさんいらっしゃいますよ。すごく人気があります。高くないというと語弊がありますが、ここの家具の中では安いほうなのです。一般の方でも買える価格なので結構お若い方も買っていかれますよ。あとは別荘に置かれたり、テラスをお持ちの方はテラスに置かれたりでご購入いただいてますね。
ー紀尾井町エリアとはどのような場所だと思いますか。
そうですね、実際ここで働くまではこのエリアに来ることはほとんどなかったのですが、昔から住んでいる方もたくさんいて、由緒正しき場所でもあるので非常に落ち着いた雰囲気がある街かなと思います。治安もいいので安心して仕事もできます。
ROGOBAは落ち着いていて清涼感のある空間です。
コンサートが行われたりもしていますので一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
ROGOBA
東京都千代田区平河町1-3-14 安井平河町ビル1F